事件(二)

転がって甘えるこう

一時は安心していたけんの怪我だが、昨夜、けんが眠っているときにちょうどよく見える角度だったので見てみると、また少し血で赤くなっている気がする。少し心配だ。Y子もそうなのだが、僕は一種の逃避からか、心配すると眠くなってしまうたちなので、昨夜はそのまま早寝する。今朝。けんはいつものように猫タワーのてっぺんに陣どって外を眺めていて観察できず。まあでもほかに変わった様子はなさそうなのでそれほど心配はしていなかったのであるが、夜帰宅して様子をみると、また少し血が出ていて傷口も大きくなっているようではないか。ほかの場所ならまだしも、ほっぺたなのでどうにも痛々しい。Y子によると、夕方自分で掻いたかなにかで、また血が出てきたらしい。雑菌が入ったりとかいうことはないのだろうか。昨日はハンガーかという結論に至った原因も、あらためて考えてみるとどうも確信が持てない。という感じでY子とあれやこれや話しているとこのままにしておいていいかどうか不安になってきて、心配ばかりしていても仕方がないとM動物病院へ電話。電話ではなかなか怪我の状態が伝えられないからということもあってか、傷の様子を診てみたいから明日連れてきてくださいと女先生。結局、ようやくお腹が治ったばかりであるが、明日ふたたび病院へ行くことに。鉄板のように健康で元気なけんであるが、まさか二週続けて病院に行くことになるとはなあ。これで厄払いになればいいのだけれど。ただ、本人はというと、いたって元気で健康そうではあるのだが。ともあれ、先生方、いつもありがとうございます。


ところで、これは前回病院へ行ったときに確信したのであるが、こうは病院が大変苦手のようである。とくにケージに入って待合室にいることが怖いようで、先日はケージの外の見えない側に縮こまって、少し震えているようでさえあった。こう、大丈夫だよ、と声をかけて少しだけ扉を開けて撫でてやると、少しは安心するのかごろごろごろごろ言う。前回は診察はなしだったが、以前、ケージから出て診察台に乗ったときもごろごろ言って先生方にも甘えたりしていたから、病院そのものというよりもケージに入って病院にいるということが怖いのかもしれない。ケージが小さすぎるのかという気もしたので、新しいケージを注文したのが今日届いた。が、このあたりがインターネット通販の難しさか、実物を見ずに数字だけを見て購入したため、実際に届いてみるとどうにも小さすぎる。Y子も新しいケージを楽しみにしていたようで、二人してがっかり。明日はまたこうはとばっちりであるが、連れて行かねばならない。生まれてからずっとひとりになったことがないこともあって、ひとり置いていくことが不安だからだ。けんのためだから、こうも頑張ってくれ。