同窓会

壁際でくつろぐけん

素晴らしいお天気の日曜日。昔の職場の同窓会を兼ねたバーベキュー大会でM面へ。余裕をもってつくはずだったのだが電車を乗り継いでいるうちに思いのほか時間がかかり、駅に降り立ったときにはすでに集合時間がせまっている。バーベキュー場に現地集合なのだが、何と案内によるとそこまでは徒歩約1時間とか。必死で滝道を早足で歩く。おみやげ物屋のならぶ参道を抜けて、谷沿いの山道に入る。谷といってもからっと明るく、道も適度に整備されていていい感じだ。いいお天気なので行楽の人たちも多い。ところどころ展望も開け、川も綺麗だしゆっくり景色を楽しみながら歩きたいところだが、そうもいかずに一心不乱に歩く。主観的には100人くらいぶっちぎって追い抜いて、30分ほどで汗だくになりながらようやく滝へ。滝の前は明るい広場になっていて、みんなお弁当を広げたりして休憩している。少しだけ写真を撮って僕も休憩。真っ青な空に滝が映えてなかなか見事だ。茶屋があったので思わず缶ビールを買い、喉をうるおす。ここからキャンプ場へはすぐのはずだ。が、なかなか道が見つけられずにあちこち歩き回っていると、目の前に怪しげな急な階段が現われ見上げても果てしなく上のほうまで続いているではないか。嫌な予感がしたが、何度確認しても間違いなく道はこの階段であった。どうやら上のドライブウウェイまで登らねばならぬようである。ビールを飲んだ体にこの階段はきつい。それでも息をきらせて何とか上りきると、クルマで来ていたYさん親子が迎えに来てくれていた。

ようやくみんな集合してバーベキューを楽しむ。こうしてみんなで集まるのは実に三年ぶりのことなのだが、会えばすぐに時間が戻って、なんだかみんな昨日会ったばかりのようである。ビールを飲んで気持ちよく酔っ払う。みなさま、ありがとうございました。

月曜日は雨。夕方FさんをK大に訪ね、そのまま禁断の中華Rへ。食とかファシズムとか社会的なものとか。これまた気持ちよく酔っ払い、気がつけばRに4時間くらいいた。

日曜日、帰路は大先輩Oさんの奥様運転のクルマで送ってもらう。高校生と中学生の娘さんも一緒だ。Oさん一家、みんな友達みたいな感じでいい雰囲気だった。ありがとうございました。

おかげで思いのほか早く帰れたが、この夜はこうがなかなか寝付かず、休みに行ったかと思うとまた戻ってきてふにゃーと言って甘えてきたりとなぜか興奮気味。思いがけず僕が早く帰ってきたから嬉しいのだと思うことにする。

濁った激流にかかる橋 (講談社文芸文庫)

濁った激流にかかる橋 (講談社文芸文庫)

いや、これはなかなか面白かった。ものすごい濁流に二分されたある町と、その川に架かる唯一の橋。橋はものすごい渋滞に対処するため何度も手を加えられ、いつしか複雑怪奇な構造をもつ「町」のような存在となっていった。妄想気味の役所の女性やら川沿いのマンションに住む幽霊やらちょっとぼけ気味の猫好きの市長やら橋の建設ならおまかせ建設会社の女現場主任やらが語る、この橋と川と都市の物語。こういう感じの小説、昔よく読んだなあなんて言うんだっけと調べていると、「魔術的リアリズム」という言葉に行き当たる。そうか『百年の孤独』か。しかしこの「魔術的」とかいう言葉、何とかならんのんかいな。ともあれ、小説のラスト、この川に訪れた大事件の後、占い師のおばさんとホームレスの大男が演じる大団円には、たいへん爽やかな感動を覚えた。あと、笙野頼子の解説がなんかすごいぞ。