羊たちの饗宴

ふたりで休憩

人間には、みずから退路を断ってまでも進み続けなければならないときがある(笑)。

というわけで、これまで借り物だった三点セット(シューズ、ハーネス、ATC&カラビナ)を「特別会計」で購入して、並々ならぬ決意でのぞんだ日曜日のH田人工壁。しかし、前夜の「羊たちの饗宴」(後述)で不覚にも焼酎を飲みすぎてしまい、ややというかかなり二日酔い気味でお腹の調子もきわめて良くない。ああ今日もまただめかと思ったが、1トライ目、力が入っていないのがよかったのか意外にもけっこう上まで上がれるではないか。そして、2回目のトライでは、無数のテンションのすえではあるが、ついに垂壁の上にまで到達。よしこの調子で完全に登れるようにと、昼食後、再トライするが、今度はなぜか体が重く、すぐに行き詰ってしまった。酒も抜けたはずなのに、スタミナ切れかなあ…。やがて足もやたらと痛くなってきて、結局この後は登れず。とはいえ、ようやく先が見えてきたような成果ある日曜日で、終了後Tさんのクルマの中でもすがすがしい気持ちで会話もはずむ。やっとこさテンション掛けて両手を離せるようにもなったし、10mくらいの高さでは恐怖もうすらいできました。階段で一番高いところ(17m)の上まで登って下を覗き込んだらやはり足がすくんだけど。

先週金曜日はD大でBIをめぐるシンポジウム。でかい会場が人で溢れ帰って立ち見もいる。いや、いままでに聞いたこのテーマのものでは一番よかったんじゃないかな。D教授が流暢な日本語でBIとの出会いを訥々と語る。ミーンズ・テストのスティグマを避けられるBIは、経済的にも好影響を与えられる理想的な制度である(前日の寝不足がたたって不覚にも途中で一部意識を失ってしまったところがあるので、覚えている範囲でのまとめ)。なるほどBIもありかなあ。しかし、一方で、かえって格差が拡大するんじゃないの、一級市民と二級市民みたいに分かれてしまうんじゃないのという疑問も浮かぶ。研究者は意外に少なかったのか、見知った顔がいなかったので(いても途中で帰ってしまった)、J社のM君を少しだけからかってからおとなしく退散。

予報よりも早く雨が上がって晴れ間ものぞいた暖かな土曜日は、日本と労働をめぐる「羊たちの饗宴」へ。時間配分が難しく、最初はどうなることかとも思ったが、それでも時間とともに熱を帯びる羊たちの議論。まあ、短い時間で凝縮してはできましたか。しかし、合宿のときの異様な熱気と比べると、やや疲労気味の羊たちであった(お疲れ様でした)。

終了後は近くの安居酒屋で、Ymさんも合流して宴会。酒は控えめにと思っていたが、Inさんの注文した焼酎のボトルを、まあお付き合いでとちびちび飲むうちにいつの間にやら湯割からロックへ、気がつけばすっかり酔っ払ってへべれけに。

というわけで、今週は実務の合間に羊たちのテープ起こしだが、しかしこれだけ聞いていると、なんかみんな他人とは思えないなあ。

昨夜から急速に冷え込んできて、朝に夜に暖房を入れると、けんこう兄弟が喜んでやって来て、寒さには強いはずの「けん」も、嬉しそうにころころ転がりながら温風に当たっている。