高所恐怖症克服への道

洗濯機の上のこう

先週末は金比羅で岩稜歩きの練習か、あるいは武奈から北の稜線を辿ってみるかといろいろ考えていたのだが、諸般の事情で中止となり、土曜日は一日休養。しかし、曇の予報だったのが快晴だったので少し残念であった。そして、これまた素晴らしい快晴の日曜日は、大阪某所へクライミング体験へ。

しかし、僕は何を隠そうかなり重度の高所恐怖症である。職場のビルの外側に設置された非常階段も、たかだか3階+屋上までなのだが、怖くて2階より上は登れないくらいだ。Y子と訪れた黒部・欅平のトロッコ駅前の橋は絶好のビューポイントで、記念撮影の観光客でいつもにぎわっているのだが、この幅広の立派な橋も、恐ろしくて足早に真ん中を通過してしまったくらいである。しかし、そんな僕でも山は大好き。いまも目を閉じれば、先日の立山・大日の山行中、ずっと間近に見えていた剱岳の偉容が浮かんでくる。剱岳。まさしく岳人の殿堂。あるいは北穂の大キレット。やはり、いつの日にか登ってみたいものである。しかし、そのためにはあの名だたるカニのタテバイ、ヨコバイをはじめ、いくつもの難所を越えていかねばならない。それらは写真で見るだけでも失神してしまいそうな、恐るべき高度感である。剱に登るためには、なんとしてでもこの高所恐怖症を克服せねばならない。

というわけで、一念発起して望んだクライミング初級体験。なんとなく写真を見る限りは、人工壁なら大丈夫だろう、けっこう簡単に登れちゃうんじゃないのと、軽い気持ちで参加してみたのであるが、これがやってみると恐ろしく怖い。手はすぐにぱんぱんになるし、下ろしてくださいと下を見ると高度感に目は眩むし、じゃあ下ろそうと手を離せといわれるのだが、これがまた死ぬほど怖くて手が離せない。結局、何度目かのトライのすえ、初級の垂壁はロープに引っ張り上げてもらうような形で無理やり登頂。ハングのある壁に移動するが、これがまたハングのある分、下がよく見えて怖い怖い。特に下降は壁から離れて吊るされて降りる形になるので、目をつぶってないととても下りられない。登ってもこの下降があるかと思うと恐怖も倍増。というわけで、なんか久々にダメな自分を見せ付けられた一日であった。何度かやってるとほんとに慣れるのかなあ…。

でも、クライマーの皆さんは、みんな気軽に話しかけてきてくれてとてもいい雰囲気。まあ最初はそんなもんだよと慰められながら、帰りはTさん宅にお邪魔して、ご馳走をつまみながら皆さまと山の話で歓談。ビールから日本酒へと移行して、気がつけば夜も更け、バスもなくなる時間である。遅くまでほんとうにありがとうございました。

12時前、帰宅するとけんこう兄弟が出迎えてくれるが、どっと疲れが出てそのまま眠ってしまった。

そういうわけで、全身筋肉痛、ペンを持つ手に力も入らない、久しぶりに雨模様の週の初めである。さて、次の週末はどこへ?