退院

昨日はけんと病院で別れてから、帰りにY子と簡単に食事をして帰ったが、二人とも自分で思っていたよりもダメージが大きくあまり食欲もない。食後、蕎麦屋の駐車場ではめまいがして倒れるかと思った。それでも、暗くなっていても仕方がないということで、二人でお茶を飲んで帰る。しかし、けんのいない家はがらんとして何をする気も起きない。ちょっと前に注文していた荷物とけんのおやつが届くが、あけるのも面倒だ。でも、Y子が冬物の衣類の整理を始めて、それを手伝っていると元気が戻ってきた。けんもがんばってるのだから、僕らもがんばろう。

 

何が異変があればすぐに電話しますとのことだったが特に電話もなく、今日はもう電話はないだろうと遅い目の夕食を二人で食べていたとき、突然病院から着信があって心臓が止まりそうになる。すぐに行かないといけないのかと思ったが、明日の朝お返ししますのでいらしてくださいという電話だった。輸血は終わって、けんはしばらく怒っていたそうだが、今は疲れて休んでいるとのこと。とりあえず輸血が無事終わってほんとうによかった。電話を切ったあともしばらく心臓がどきどき言っていた。

 

けんのいない夜。けんは寂しいだろうなと思うと涙が出そうになる。

 

105日ぶりにけんもおらず、点滴もない朝。今日は病院は休診日のところを朝一番8時半に迎えに行く。やはり帰ってくるということで気持ちも明るい。今後の治療について簡単に打ち合わせ。輸血はうまくいったがまだ貧血状態は続いていて、増血剤の治療を続けていくことになった。貧血を悪化させないために、明日からの点滴は、輸液量はぐっと少な目になった。行きは大雨だったが、帰りにはほとんどやんでいた。

 

帰ってきたけんは、やはりまだかなりしんどいようではあるが、ゆっくり休み休みしながら、家中を確認している。しばらくしてから、玄関マットの上で横になる。けんはとても意志の強い猫だ。家に帰りたい、生きたいという気持ちがとても強いのだと思う。僕らも彼の気持ちに応えなければならない。ゆっくり体を休めて、がんばって治療を続けていこう。