パニック

けん大丈夫か?

昨夜は夕方から久々のお客さん、M氏兄妹がやって来た。みんなでビールを飲んでご飯を食べて、映画を観たりして楽しい時間を過ごす。予想されたことではあったが、けんこう兄弟は来客に驚いた様子。とくにけんは、いきなり触られたのに相当びっくりしたようで、家中を2週して逃げ回った。低い姿勢を保ち、完全に警戒態勢である。こうは少しずつ慣れて多少は近寄ってきたものの、結局、けんはベッドの下から一歩も動かず。二人が帰ると、けんもこうもようやく安心したように出てきて甘えてくる。それにしても、けんこう兄弟、とりわけ、けんは来客が苦手だ。子猫時代にお客さんがほとんど来なかったからだろうか。少しずつ慣れていってくれればとも思うのだが、急にどうこうというものでもないだろうし、無理強いするものでもないだろうからまあ仕方がない。

と、ここまでならまだ笑い話ですんだのであるが、明け方、5時頃、けんがうにゃーうにゃーとしきりに鳴いて起こしに来る。最初は寂しくて甘えているのかとも思ったのだが、どうも窓の外を気にしたり、やたらと動き回ったりと様子がおかしい。落ち着きなくあちこち動き回って走り回って、朝の運動会かとも思ったが、そのうち走りすぎて口ではっは息をしては、また走り出したり、うにゃーうにゃーいつもと違った様子で鳴いたりと、あきらかに様子が変である。動きすぎているせいか、息もかなり荒い。本を見ると口で息をするときは熱中症の危険とある。たしかにこの季節にしては少し蒸し暑い朝であり、心配になってクーラーを入れる。熱中症ならば体が異常に熱いと書いてあるので触ってみるが、これはそれほど熱いという感じでもない。窓の外を気にするようなので何か外にいるのかと調べてみるが、とくに変わった様子もない。しかし、パソコン台とか台所と居間の境目とか猫タワーとか、いつものお気に入りの場所で休もうとするようであるのだが、すぐにまた走り出したりしてどうにも落ち着かない様子である。Y子と二人で可能性をいろいろ検討してみるが、どうもこの興奮状態、精神的なものに原因がありそうである。うーん。昨夜の来客が相当こたえたのか。2時くらいにY子が少し起きて様子を見たときにはふつうだったというし、少し前、Tさんがやって来たときはここまでではなかったのであるが。なんとか二人でけんをなだめようとする。こうも心配なようで、抱きついては首筋に噛み付いたり、舐めてやったりして、けんをおさめようとしている。そうこうするうち、さすがにけんも疲れたのか、少しずつ大人しくなりおさまってきた。やがて眠ったようであるので、ともかく様子をみることにして、僕らも休む。このとき、午前7時くらいか。

10時過ぎくらい、ふたたびふわーふわーとけんが起こしにやってくる。大丈夫かけん、と跳ね起きると、体を膨らませていつもよりも積極的に甘える様子だ。いつもに戻ったのかなとも思ったが、今朝がたほどではないにしてもやはり落ち着かない様子であちこち歩き回っている。ふと思い立ち、ブラッシングをしてみる。けんはいつもブラッシングが大好きだからだ。心なしかだいぶ落ち着いた様子で、気持ちもいいのか自分で体の向きをあちこち変えながら、じっとブラッシングを受け入れている。やがて立ち上がってご飯を食べ、押入れに入って眠ってしまった。

思うに昨夜の緊張が残っているところに、何か窓辺で見たものに恐怖を感じるなどして(たとえば昨夜と似た人影を見てまたやって来ると思ったとか)不安が爆発し、パニックに陥ってしまったのだろうか。落ち着いて休もうとしてお気に入りの場所に行っても、知らない人の匂いが残っているので、より不安を加速させてしまったのかもしれない。だいじょうぶ、ここはけんちゃんたちの家だよ、となんとか落ち着かせようとする。夕方までは押入れで眠っていたのでまだ警戒体制にあるようであったが(けんはふだんはほとんど押入れで眠ることはない)、夜になっていつものようにY子の机の上で休みだしたので、だいぶ戻ってきたようではある。お客さんが帰った後、もっとちゃんとフォローするなり、警戒をといてやるべきだったのだろう。来客時、隠れられるところを確保しておくというのも必要だったのかもしれない(昨夜は押入れが閉まっていた)。ともあれ、少しずつ安心感を取り戻してやるしかない。そういうわけで本日は外出を中止、いろいろと反省材料を与えられる一日であった。


水曜日はエチゼン氏来阪。社会的なものとか、代議制とか、シエースとか。
木曜日は疲れて早寝。金曜日はM氏と飲み。飲みに行くと日記も書けなくなってしまう。


ミシュレテルミドールで劇的に終わる。知らないことや間違って覚えていたことも多かった。やはり歴史を学ぶことは重要である。