日曜日

元気だった頃のうる

暖かい春のような日曜日。しかし金曜の夜から、Y子は風邪で寝込んでいる。頑張って看病しようと思うのであるが、あろうことか飲みが続き、ほとんど何もできていない。今日こそはと思うが寝過ごしてしまう。すでにY子は自分で食事を終え、けんこう兄弟の世話も終えて休むところであった。

風の気持ちいいお昼前。Y子もけんこう兄弟も休んでいる。料理のまったくダメな僕は、インスタントラーメンで朝昼兼用の食事をとるが、なぜか猛烈な腹痛に襲われ、少し横になろうとベッドに入る。そのまま眠ってしまったようで、気がつくとすでに日も傾き、Y子がけんこう兄弟の夜のご飯を出しているところだった。

夜。今度こそはとおふくろに電話して、おかゆの作り方を聞く。Y子が起きてきたので早速作ってみる。うまくできたと思ったが、自分でも食べてみるとまったく味がしない。それでもY子は全部食べてくれた。もう大丈夫だから明日からは普通に戻るとY子。汗をかいたのでとシーツを変えようとすると、まずはこうが、その後けんも飛び乗ってきて、なかなかうまくいかない。Y子、何もできなくてごめん。

今日はうるの3回目の命日である。3年前の今日、タクシーを飛ばして帰るとY子の腕のなかでうるは息絶えていた。窓を開け放して眠った夜、とても寒かったように思うのだが、今年の今日は妙に暖かく不思議な感じだ。今日はY子がまだ回復していないからお参りは明日にしよう。小さかったうるの姿を思い出そうとするが、けんこう兄弟のイメージと混ざって、顔は浮かぶのだが大きさの感覚がどうもおかしい。どうもうまく思い出せないよと言うと、小さかったよいつでも思い出せるよとY子。お風呂を見るといつも思い出す、と。たしかに最期の数日間、うるはお風呂場に陣取って動かなくなった。その姿は眼に焼きついているはずだが、大きさの感覚が狂っている。

元気だった頃のうるの写真をアップすることにしよう。これはたしか3年前のお正月、Y子が名古屋に帰省してうるとふたりで留守番をしていたときに携帯で撮ったものだ。うるはこのかごが大好きだった。まだ猫に慣れていなかった僕はおっかなびっくりで留守番をしていたのだが、うるはそんな僕にも全力で甘えてきてくれた。電話がかかってきたのかこちらからしたのか誰に電話したのかあるいはメールをしようとしたのか覚えていないが、そばにうるがいるときに携帯を触ると、ものすごく寂しそうに僕を見上げたのであわてて携帯を置き、彼を撫でたことを鮮明に覚えている。

寂しかったんだな、うる、ごめんよ。

しかしこの正月の頃からうるはすでに眠りがちで過ごすようになっていて、今から思えばもう調子が悪かったのだろう。デジカメを持っていなかったので、データ化されたうるの写真はほとんどない。顔は写っていないが、元気だった頃のうるの貴重な思い出の一枚なのである。