九州

けんです

九州での打ち合わせは無事終了。初日はJ.S.ミル、二日目は制度学派、ベンサムに関する報告を聴く。初日の夜は、総勢約30名の合評会(飲み会)。Kさんを中心に関係者のほか、Wさんとかも来てくれて盛り上がる。締めは地元出身Eさんの案内で長浜の屋台へ。肉は食べなかったが、ラーメンはまあいいことにする。久しぶりに食ったこともあって実に旨い。

会場では久しぶりに会う人たちも多く、有意義であったが、皆が一堂に会する場がなかなかないので、来ているはずの人を探すのに苦労する。けっきょく出会えなかった人も多かった。

終了後は、弟一家と合流。これも実に楽しいひと時であった。

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帰宅後、けん・こうがどうも便秘気味であるらしい(特にけん)。3日も4日も便秘が続くようだと異常だということのようで、少し心配する。心配して様子を見ると、ちょっと元気がないような気もして、ますます心配になる。Y子は心配のあまり、頭が痛いと早めに休んでしまう。すると、眠っていたけんがやおら起き出してトイレに。少しだけ出た。Y子も起きてきて、少し安心。

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出張の行き帰りに読む。

砦に拠る (ちくま文庫)

砦に拠る (ちくま文庫)

子供の頃、テレビの記録映像か何かで、山間の巨大な城塞に人が住んでいる様子を見て、あれは何をしている人なの?と親父に聞いたことを覚えている。ダムに反対してる人がおってん。いま思い出すとそんなようなことを親父は答えていた気もする。大学生になっても、その映像の異常な感じが気になっていて、うろ覚えで蜘蛛ノ巣城と勘違いして、黒沢の映画を借りて来たこともあった。もう忘れかけていたのだが、とある論文でこの本が紹介されていて、もしかしてと思い古本で購入したのだが、やはりこれであった。

大分・熊本県境の山間地帯、巨大ダム建設計画に対して、城を築き、法の力を信じ、法を武器に国と対決した老人の記録。壮絶なドラマである。情に叶い理に叶い法に叶い、これが民主主義である、とはこの老人、室原知幸氏の言葉。それにしても彼がまさにその全精力を投入した行政訴訟の、あまりにも、あまりにもあっけないこの幕切れは……。その真相は、この本の中でも謎のままである。