週明け、約一年ぶりにカメムシが姿を現す。いままで気にしたこともなかったが、カメムシというのはこの季節に行動する生物なのかもしれない。昨年の日記を見ると、11月1日にはすでに現れていたようなので、暖かさのせいか今年はいささか遅い登場である。
月曜の夜、それまで休んでいたけんが急に走ってきて、「ふぎゃあぎゃんぎゃ」とでもいうようなむずかったような声を出してタワーに駆け上った。何ごとかと見ると、天井を見上げるけんの先にカメムシがいたのである。すぐにこうもやって来て本棚の上に飛び乗り、ふたりでカメムシを監視している。やがて下に降りてきたカメムシにこうの右フックが炸裂、しかし敵もさるもの、おかえしに強烈な臭気を放ち、しばらくじっと身を潜めていたかと思うと、やがてけんこうの手の届かない天井の一角に陣取ってしまった。カメムシの発する臭気は、けんこう兄弟も相当苦手なようで、こうは目をしょぼしょぼさせていた。
それにしても、虫を見つけたときに出すけんのあの声は何を意味しているのだろうか。「虫だっ! 虫だっ!」と興奮してひとりで叫んでいるのか、あるいは「見つけたぞっ! 降りてこいっ!」と虫に向かって言っているのか。その他の場合にはふたりとも、何か声を出すときは間違いなく人間に向かって言っているのだが、ふだんは無口なけんのこの場合の声はけっこう謎で、しかし妙におかしくてかわいらしくもある。
- 作者: マルセルゴーシェ,Marcel Gauchet,富永茂樹,前川真行,北垣徹
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2000/09
- メディア: 単行本
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やっとテルミドールまで読んだ。人民主権と代表制の結合を完成させるための「第三の権力」の追求のドラマ。冒頭「民主政の代表の性質」があまりに謎めいていて面食らうが、革命期の具体的な議論は実に面白い。それにしても何とさまざまな制度が考案されては消えていったことか。冒頭の議論には、最後まで読んでから立ち返ることにしよう。
風邪。もう治ったといいたいところなのだが、なかなか咳がとまらない。