うるの命日、そしてこうの月命日


1日はうるの12回目の命日。4日はこうの7回目の月命日であった。

寒いときにやって来て、暖かくなる前にこの世を去っていったうるは、ヒーターの前に置いてあったカゴに入るのが大好きだった。うるの来た年は特別に寒い年だったが、亡くなる何日か前、暖かい小春日和の日にベランダで抱っこして撮った写真が残っている。病気で成長は止まってしまっていたが、それでもうるのなきがらの口の中には、小さな小さな永久歯が生えてきていた。そんなことを思い出しながら、Y子と二人で簡単にお祈りをする。

月命日ではいつものようにY子がお経をよんでおまいりする。手を合わせながら楽しかった日々のことを思い出そうとするけど、思い出すのは晩年の悲しい思い出ばかり。こうは幸せだったのかなあと、ずっと考えている。おまいりしているあいだけんは、僕の足元で丸くなって静かに休んでいた。