八月の終わりに

最近、家の前の道を池から川に帰る鴨の兄弟が毎夕横切るので、Y子と二人で見守っている。今日は先に川に降りた鴨兄を弟が見失ってしまい、パニックになった鴨弟が悲しげに泣きながらくるくる動き回るというアクシデントが発生しあせったが、鴨兄が土手下まで戻ってきて弟もようやく発見、土手を転がり降りて無事合流していた。

相変わらずけんはよく甘える。昨日くらいからようやく朝晩は涼しくなって、けんも気持ちがいいようだ。Y子と二人でテレビを見ていると横に行儀よく座って一緒にテレビを見ている。

そういえば、こうはあまりテレビに興味を示さなかったけどけんは昔からテレビが好きで、人がこちらに向かってくる場面とかでよく驚いたりしていた。こないだの日曜日にも映画『エベレスト』を観ていたら、雪崩の場面でそれはそれは驚いた様子で画面を食い入るように見ていたのがおかしかった。

その後、片付いた僕の部屋を、けんは一日に一回、偵察に訪れるようになった。しかし片付きすぎて逆に落ち着かないのか、ぐるっと一周してはすぐに戻ってくる。

片付けといえば、先週末には猫部屋のレコード類と本棚を整理する。古いアルバム類やら段ボールやらが雑然と上に積まれていた猫部屋の本棚を片付けると、子猫時代以来何年ぶりだろう、けんがケージを伝って飛び乗ってきた(写真)。もっと早くに片付けてやっていたらよかったなあとまた思う。

レコード類はビニールカバーの劣化が激しく、こんなに早く劣化しないはずだけどなあと思うが、もう十年近くもろくに整理もしてなかったことに気づいて愕然とする。

十年という月日の流れよ。

節目の四十九日は過ぎたけれどもなかなか実感がわかない日々である。