三七日

三七日は蒸し暑い日曜日。昨日夜更かししてしまったのでだいぶ寝坊して居間に出ると、こうがいなくなってから初めてけんは起きてこなかった。きっと待ちくたびれて疲れて眠ってしまったんだろう。その後、Y子と一緒に起きてくる。

いつものようにY子が四つお経を読む。最初の二つは観音様に後の二つはこうに。はじめは窓辺にいたけんは、こうにお経を読み始めるタイミングで降りてきて、僕の前の机に飛び乗って横になった。南無阿弥陀仏と唱える僕の顔を不思議そうにじっと見ている。

手を合わせながら最初はこうの楽しい思い出を思い出していたのが、途中からどうしても悲しい記憶しが浮かばなくなる。終わってから、もっと楽しいことを思い出したらなあかんなあというと、まだ亡くなって3週間なんだから仕方ないよとY子。

お参りが終わって、Y子が作ったちらし寿司を二人で食べる。こうして三七日のお参りも無事終わった。

昨日はけんが洗濯機に乗ってにゃーと鳴いた。これはけんこう兄弟が子猫時代、寂しい時によくやっていたことなのだが、こうが病気になってから一度だけ、けんは久しぶりに洗濯機に乗ったことがあった。その時はこうの看病にかかりきりだったのでけんも寂しいのかと思ったが、昨日はこうのことを思い出して寂しくなったのかと思った。けんはその後も一日に一度は、こうが最後に入ったキャリーバッグをふんふん確認しているという。