五月の節句

こんにちは
丁稚(夫)の代理で連投しているY子(妻)でございます。

永遠の人生丁稚の夫は、文化の日から長野まで岩登りに行きました。
初夏の長野、よろしゅうございますね。
わたくしも若かりし時分は避暑に行ったものでございます(遠い目)。
件の岩登りは六日までつづくそうでございます。
どんだけ巨大な岩なんでございましょう。
六日は休日じゃねえだろと思っていたら謎の振り替え休日でしたわ。なにをどう振り替えたんでございましょう。

はい、いちおう丁稚不在報告でした。


先日、健康兄弟はふたり揃って年に一度のビッグイベント、ワクチン接種に行ってまいりました。
巨大猫用キャリーバッグに、あさっての方向を見ながら近づいて捕獲したふたりを逆さまに詰め込みました。
側でこれを見ている人があれば、なんて雑な女だと思し召すことでしょう。
じゃあ、てめえがやってみな!非難の眼差しを向ける夫を尻目にわたくしはキャリーバッグを本来あるべき形に戻して整形いたしました。

さて、この時ばかりは役に立つ夫の車で健康兄弟が生まれた時からお世話になっている動物病院を目指します。
道中、車中は健康兄弟の二重奏。
健ちゃんにいたっては声がかれる始末。


なだめなだめなんとか病院着。
女先生と、1年ぶりですーとご挨拶。
「すいませんね、なんか来なくて」
「ううん、来ないのがいちばん」

この女先生とは先生のプライベートでも数回お会いしたことがあるので、健康兄弟が待合室にいる間、受付のカウンター越しにおしゃべりしていました。


そこへ男先生の「どうぞー。どちらからにしますか?」の声。
「健ちゃんからお願いします」
「はい、健さんですね」

男先生はうちの子を(よその子もだろうが)さん付けで呼んで下さる。
康さんはいいんですが、健さんは毎度笑える。


はい、健ちゃん、キャリーから引っ張り出したら即威嚇。
何に対して威嚇しているのかわからないほど眼が逝ってしまってます。
「(音になってない)ふははあ〜」
ちょっとちょっと。


「はい、毛玉ひどいですねえ。自分で毛づくろいしない子ですか?」
そういえばしない。
「はい」
「去年は八月にカットしてますね」男先生がカルテを見ながら言う。
「やっぱり丸刈りがいいですかね」
「皮膚病になるといけませんからね」

そうだ、そういえば去年もこんな会話した。
ああ、まるがりーた健ちゃん。 康ちゃんが三日は血を分けた弟をマジで威嚇するあの姿。刈った先生たちと看護師さんが笑いをこらえているのがわかる丸刈りーの健ちゃんを迎えに行って不憫さがいや増す、あの感覚・・・。

健ちゃん丸刈りー決定で、お日にちは後日連絡。
前の晩絶食しなければならないのよねえ。


さてお次は康ちゃん。
看護師さんの第一声。
「キャリーが変形してる。重みで」
ああ、やっぱりわかりますか?
変形してますよね。

でもこれ以上大きいキャリーないんです。ネットで探したけど。

重くても康ちゃんは威嚇とかしないから大丈夫。
女先生と看護師さんが口を揃えて、「クッションだねー、ねー、クッションかと思っちゃう」
たしかに毛足の長い猫を写真で見ると、どこが頭でどこが尻かわからないというのはよくある。
うん、毛長いから。

康ちゃんはまめに毛づくろいするひとなので丸刈りーの危機は無縁です。

さて、終わりましたあ、ワクチン終わって、ほんっと安心でございます。
健ちゃんの丸刈りーがまだ残ってますが・・・ああう。



今日は朝から窓の外の木の緑が日の光に照り映えて美しい日です。
私事で恐縮ですが、わたくしの祖父母が69年前の今日、結婚いたしました。
あのモノクロの写真が色を帯びてわたくしの頭に浮かびます。
時の向こうの真実。
存在という時間から乖離した真実。

在るということは永遠に変わらない。

ご結婚おめでとうございます。

Y子