朝の日課


けんは毎朝6時15分から30分くらいの間に目覚めるようで、鳴いて僕を起こしにくる。ただ、不思議なことに、枕元か近くまできて起こすのではなく、廊下や洗面所、台所のあたりでにゃーにゃー鳴いているようだ。鳴き声もふだん呼ぶときには甲高いやさしい声なのだが起こすときは野太い低い声でウニャーオというように鳴く。雨の日などたまに起こしにこないこともあるが、そんな時は静かなのでかえって目が覚めてしまう。

それからけんはごはんを食べて転がって甘えたりヒーターの前で温まったりしているが、僕がシャワーを浴びているあいだはわざわざY子の部屋(けんの寝室)に戻って休んでいるようだから不思議だ。そして僕が風呂場から出てくるとまたやってきて甘える。

鳴くというと、なぜかけんは洗面所の前あたりで上を見ながら、僕たちを起こすときと同じ声で鳴くことがある。もしかしたら、こうの気配がするのかなとも思うが、洗面所の横のお風呂場のあたりはうるが最後の日々を過ごした場所なのでうるなのかもしれないし、あるいは全然別のことなのかもしれない。