もうすぐ3ヶ月

明日はこうが亡くなって3ヶ月目の月命日である。

あまり深く考えると悲しみが込み上げてくるので、普段はY子とはこうの話は簡単にしかしない。ひと月ほど前のことだろうか、片付けをしていて、こうの大好きだった荷造り用の白い紐(これをパリパリ噛んでよく遊んでいた)が出てきて涙が止まらなくなったとY子は言っていた。その荷造り用の紐はいまもけんこう兄弟のおもちゃかごに入ったままである。

発症してからのこうに飲ませていたミルクやそれを飲ませるための注射器、最後にこうを運んだキャリーバッグも、いつもなら几帳面にすぐに片付けてしまいそうなY子なのだが、いまもそのままに置かれていて、やはり捨てるに忍びないのだろうなと思う。

僕は毎日起きたときと眠るとき、出かけるときと帰ってきたとき、こうの遺影に挨拶をする。可愛らしく目を見開いてこちらを見ているこうの遺影は存在感があって、やはりこうはまだここにいると思うのである。