闘病4日目

朝、こうは昨日の場所から移動して、お気に入りの窓辺の物見台の一階にいた。できるだけ涼しくするようにということで除湿を入れていたが、窓を開けて外の風にあたらせてやる。じっとしていたら息は落ち着いているように見えるが、なかなか熟睡できないようだ。

昨日よりは動けるようになったように思うが(後ろ足がきかないようなのだが、よろけながら何とかちょっとだけ歩く、午前中は物見台の一階と居間を行ったり来たりしていた)、自分の気持ちに体がついていかないのだろう、あーとかいう感じで苦しそうになく。少し動くとかなり疲れるようで息が上がってはあはあ言っている。明け方も動いていたようで、この鳴き声が耳に残っている。しかし、鳴かずにゆっくり動くこともできるようになってきた。ただ、相変わらずご飯も水も口にしない。急激に痩せてきて衰弱が激しいようで心配であるが、無理せず好きな場所でゆっくり休んでほしい。

こうはとても賢くて優しい子である。けんが調子が良くないと優しく毛づくろいしてやるし、お腹を壊したけんが薬を嫌がって飲まないときなど、頑張って薬を飲みなさいというようにけんの首筋に噛みつき、おとなしくさせたりしていた。僕らがしんどいときにも、こうはそっと気遣ってくれる。先日、僕が調子が悪くて1週間ほど寝込んでいたときも、丁稚どんだいじょうぶ?というふうにそっと様子を見にきてくれたりしていた。そんなこうがどうしてこんな目にあわなければならないのか、事態をなかなか受け入れることができない。

けんもこうの調子が良くないのがわかるのだろう、心配そうに近寄ったり遠ざかったり、にゃーにゃー僕らに言ったりと、何か落ち着かない感じである。

Y子が起きてきたら気分も良くなったのか、以前よりも長い距離を動くようになった。お昼前、おトイレにも行った。しんどいのにちゃんとトイレまで行って感動。猫ってえらいなあ(なお、明け方に大の方も少しだけしていた模様)。その後、お気に入りの窓辺に移動して風に当たって休む。今日は梅雨の合間の晴れ。気持ちの良い天気になって本当によかったなあ、こう。

こうが何も口にしないのでつい不安になって、いろいろ悩んだ末、昼前、病院に電話してしまう。先生と話して気持ちがだいぶ楽になりました。ありがとうございました。

夕立。すぐに雨はやむ。その後、僕の部屋に移動してまた休む。元気なときにいつも休んでいたY子の部屋には、どういうわけかぜんぜん近寄らない。その後、猫部屋に移動。

音がうるさいのは嫌だろうとテレビはつけずにいたが、なるべく普段通りにしたほうがいいということで、Y子と(控えめな音量で)撮りだめていた録画を見る。すると猫部屋で休んでいたこうがむーと言いながらやってきて、テーブルの下に陣取ったかと思うと、気持ちよさそうに眠り始めた。寂しかったのかなあと思ったが、なごやかな雰囲気が伝わったのかもしれない。久しぶりにくつろいだ表情で休むこうを見た気がする。猫は普段通りが一番の生き物。気持ちもすぐに伝わる。できるだけいつも通りに接してやろう。

夜は物見台の1階と僕の部屋を行ったり来たり。相変わらず水も飲まないがじっとているとだいぶ楽そうで、表情もだいぶ戻ってきたように思う(昨夜は目がいったような感じ……)。だいぶしんどいとは思うが、がんばれ、こう!