2011年3月14日

――誰か自ら省れば脚に疵なきものあらんや。僕の如きは両脚の疵、殆ど両脚を中断せんとす。されど幸ひにこの大震を天譴なりと思ふ能はず。況んや天譴の不公平なるにも呪詛の声を挙ぐる能はず。唯姉弟の家を焼かれ、数人の知己を死せしめしが故に、已み難き遺憾を感ずるのみ。我等は皆嘆くべし。嘆きたりと雖も絶望すべからず。絶望は死と暗黒とへの門なり。(芥川龍之介「大震に際せる感想」全集10、153頁)


心がつぶれてしまいそうになる。

ただ祈るしかない。