笠ガ岳へ

杓子平から笠ガ岳を望む

もともとは白馬に行くはずだった週末。しかしこれが諸々の事情で中止になり、代わりに西穂に挑戦しようかとも思っていたのだが、日曜日の天気があまり思わしくないようで、いろいろ検討した結果、孤高の名峰、笠ガ岳へ、笠新道から向かうことにした。

笠新道は、標高差1800mを一気に登るコース。とくに標高2500mの杓子平までは、4時間ひたすら急登が続くという、なかなか難儀なコースだ。午前中はピーカンだったので、汗が噴き出し、2〜3ピッチ目はかなりしんどかった。とはいえ、槍穂の稜線を一望しながらの登りは気持ちがいい。

杓子平は目の前に雄大なカールと目指す笠ガ岳の大きな稜線が広がり、アルペンムードたっぷり。と、ここまでは素晴らしい青空が広がっていたのだが、大休止している間に稜線付近にはガスが広がってきた。

槍穂の大展望台として有名な笠ガ岳の稜線だが、残念ながらガスに覆われて視界はきかず。結局このあと、槍穂は一度も姿を現わさなかった。

15時過ぎ、小屋に到着し、荷物をデポして笠ガ岳ピークへ。笠ガ岳はガレガレの広い山頂で、ガスのため展望はまったくきかなかったが、それでも広い山頂に寝転がったりしてゆっくり過ごす。さて明日のお天気はどうかなあ。

二日目、目が覚めると残念ながら雨。まったく視界のきかないなかを、鏡平まで縦走する。風雨にさらされた稜線はなかなか厳しい雰囲気もあって、これはこれでいい経験だった。稜線では、最後のほうに逆送してくるひとりかふたりの登山者に出会ったくらいで、静かな北アルプスの山旅を堪能する。前回の穂高の賑わいとはまったく対照的だなあ。

鏡平で最後の一降りに見舞われたあとは、ようやくガスも抜け、小池新道のガレ場を快適に下山。展望に恵まれたのは結局初日の午前中だけだったけど、静かな味わい深い山旅であった。さて、今シーズン、もう一回ぐらいどこかへ行けますかね。


【1日目】
新穂高温泉7:00―笠新道登山口8:00―杓子平12:00―稜線14:00―笠ガ岳山荘15:30―笠ガ岳ピーク(2897m)16:00

【2日目】
笠ガ岳山荘6:00―笠新道との分岐7:10―大ノマ岳(2662m)9:20―弓折岳(2588m)10:20―鏡平11:00―ワサビ平14:15―新穂高温泉15:15