神戸の夜と京都の夜

新しい「つつ」に入って

梅雨の晴れ間の土曜日であるが、羊の集まりでサイトウさんの報告を聞く。1920年代京都、カフェーの女給と客の話。コマドリやら矢尾政やら、ダンス芸者やら花街の少女歌劇やら、天野正やら秦テルオやら、いやなんかもう面白いなあ。

終了後は関連するお店にということで、SK極のもともとカフェーだったという居酒屋に遠征。ここは何度か来たことがあるけど、そんな由来は知らなかった。あらためて店内を見回してみると、たしかに大正の雰囲気がたっぷりである。そのまま勢いで、サイトウさんもまだ行ったことがないという泣く子も黙るG園の元カフェーにチャレンジしてみるが、禁断のG園の敷居はやはり高く、仕方なく近くのカフェ風の(現代的な意味で)お店でなぜかシャンパンをいただく。そういうわけですっかり酔っ払い、気がつけばお団子をお土産にタクシーに乗っていた。蒸し暑いが、なかなか素晴らしい、お祭も近づいた京都の夜である。

その前日、金曜日は神戸の夜。阪神M影でM先生と待ち合わせ、近くの立ち飲みを何軒かはしご。それにしてもこのあたり、僕が中学の頃から雰囲気がほとんど変わっていない。市場の文房具屋も花屋も、駅の立ち食いうどんもたこ焼きやも昔のまま。激震地だったのにこの変わらなさはすごい。お酒が飲める年齢になるころにはこの町から遠ざかってしまったので夜の雰囲気は知らなかったが、気取らないいい町だなあ。

そういうわけで土砂降りの日曜日はレスト日とする。買い物に出かけていたY子を迎えに行って、近くの蕎麦屋で昼食。Y子とお昼外食するのも久しぶりだ。帰宅後は、夏バテ気味のけんこう兄弟とごろごろすごす。湿気がすごいからか、ふたりとも新タワーにはあんまり登らない。子猫時代には、どんなに暑くてもどんなに寒くても、旧タワーのてっぺんに陣取ってじーっと外を見回していたものだが。けんこう兄弟ももう4歳だからなと思うと少し感慨深い。それでも、梅雨が明ければ、また毎朝登ってくれるだろう。蒸し暑い雨の日曜の夜、Y子と二人でしみじみそんな話をする。