仕事始め

かご入りしたこう

いろいろ雑事も終わり、さあこれから本格的に休むかと思うともう仕事始めだった。毎年のことだが初日はいつもしんどい。いくつかたまっていた連絡業務をこなし、大物の本体はまあ明日からですな。一方、けんこう兄弟はいち早く日常に復帰した模様。動物は本来規則正しく日々の仕事をこなすものだと、彼らを見ていてあらためて思うのである。

昔からレーティングのついたレコードガイドみたいなものをぱらぱらめくるのが好きで、高校生の頃にはローリングストーンのレコードガイド(赤い大判のあの辞書みたいなやつ)をつねに持ち歩いていたものだ。あの本は悪友のIに貸したままどこかへいってしまったが(噂では持ち歩きに便利なようにバラバラにばらしたうえにどこかに散逸してしまったらしい)、最近のお気に入りは真面目なジャズガイド、"The Penguin Guide to Jazz Recordings"である(新版も出てるみたい)。

The Penguin Guide to Jazz Recordings: Eighth Edition

The Penguin Guide to Jazz Recordings: Eighth Edition

histrical かつ contemporary なガイドを目指したというだけに、そのミュージシャンのすべてのレコーディングを網羅しているわけではないし、とりわけ現役のミュージシャンの場合には近年の作品が中心だ。また、ブラックのコテコテ系には極端に冷たく、ラスティ・ブライアントとかヒューストン・パーソンが入ってないのは悲しくはあるがまあまだしも許せるとして、偉大なるニーナ・シモンとかデラ・リースとかはなにゆえにそれはジャズでないというのかいっさい何の断りもないままに当たり前のように収録されていなかったりとかいろいろ不満もあることはあるのだが、全体としてはバランスのとれた良いガイドだと思う。自分の基準と違うからこそ読んで面白いわけだが、とくにアメリカのブラックなジャズを中心に聴いてきた者にとっては、イギリスはじめヨーロッパのミュージシャンが多数収録されているのが新鮮だ。レーティングは四つ星評価で、それプラス core collection という「必ず持っていなければならない200枚」みたいなのがあるのだが、至上の愛とかカインド・オブ・ブルーとかの名だたる歴史的超名盤に並んで、John Surman の "A Biography of the Rev. Absalom Dawe" とかが入ってたりするのが面白い。ちなみに最近衝撃的に再発見した Mike Westbrook を見てみると "Celebration","Chanson Irresponsable"が4、"Bar Utopia","L'Ascenseur/The Life"が3.5、"Metroplis","Citadel/Room315","The Orchestra of Smith's Academy","Art Wolf","Love Songs"が3、"Stage Set"が2.5 ですが、どうですか、この評価。ちなみにコルトレーンでいうと、(core collection ではない)星4つというのは、ブルートレインとかアフリカ・ブラスとかヴィレッジ・バンガードとかです(クレッセントは3.5、バードランドは3。両方とも間違いなくcore collectionだろ)。