昨夜、ビールを大量に飲んでそのまま眠ったので、目が覚めると少し体がだるい。時計を見ると九時半過ぎ。珍しくY子もまだ眠っていて、僕が起きていくと寂しかったのかこうがまとわりついてきて、トイレに行こうとすると走って追いかけてくる。そうこうするうちにY子もけんと一緒に起きてきた。ごはんが空っぽになっていて少しかわいそうだ。
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午前中は雨。昼過ぎ、Y子、仕事の打ち合わせに出かける。しばらくしてY子を迎えに行くために外に出ると、もう雨は止んで少し日が差してきた。
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こうは今夜もカメムシと格闘している。度重なる肉球攻撃に耐えかねたカメムシが強烈な匂いを発し、こうは目をしょぼつかせながら、自分の肉球に匂いがついたのではないかと気にしている様子だ。
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- 作者: 中上健次
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1978/12
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いやあ何と言うか素晴らしいなあ。作者二十代最後の一年半に書かれた四編が収録されているが、「岬」へと至る過程が大変興味深い。