ジャニス

たんすで熟睡するけん

夜、たまたまテレビをつけたらジャニス・ジョプリンのドキュメンタリーをやっていたので途中から何となく見ていると、押入れで休んでいたこうがやって来て、テレビの前で転がって甘える。Y子と二人で撫でてやると、ごろごろ言いながら気持ちそうにお腹を見せてくつろいでいる。と、そこへジャニスがクラーアーアーイとCry Babyの例の冒頭のところを歌い始めたのだが(ライブのやつ)、それまでリラックスしていたこうが突然はっと跳ね起きて体勢を整え、何ごとかと警戒しながら目を大きく見開いてテレビを見つめるではないか。ふだんはテレビにはまったく関心のないこうであるが、いままで聴いたことのない声に驚いたのだろう。バンドが入ってからのサビの部分には反応していなかったので、純粋にあの「声」に驚いたらしい。ちなみにドキュメンタリー自体は、ジャニスの元恋人たちが登場して彼女の思い出を語るという趣向で、なかなか見応えのあるものであった。

こうは抱っこされながらのブラッシングは苦手なのに対し、けんはこれが異常なほど大好きである。Y子に抱きかかえられながら僕がお腹をブラッシングすると、目をほそめてごろごろ言いながら、いつまでもいつまでもお腹を向けてじっとしている。毛質もこうに比べるとふっくらした感じでボリュームがあるので、これがまたよく取れてやりがいも大きいのである。

昨夜はじつに久しぶりにアルコールを一滴も飲まなかった。そのせいか、今日は体調がすこぶる良い。今夜も、昼間汗をかいた割にはなぜかビールを飲みたいという気持ちにならず、いまのところノンアルコールで過ごしている。二日続けて酒を抜くというのは、これまた大変画期的なことだ。考えてみれば、誰かと話をしながらならともかく、家で一人でだらだらビールを飲むのは、あまり建設的なこととはいえない。この調子で一人酒は少し控えてみるかと思うが、またしばらくしたら飲んでしまうんだろうな。

夕方、仕事を早めに上がってD町まで遠征、これまた久しぶりに中古盤などを漁ってみる。ここのところずっとインターネットオンリーだったので、実際のレコ屋めぐりはもう何年ぶりのことだろうか。最初は主だったところ(ジャズのCとかDとかEとかRとか)だけ見ればいいやと思っていたのだが、すぐにこの分類に当てはまらないレコードがけっこう紛れ込んでいることに気づき、結局気持ちが治まらないので左端から順にすべて見ていくことにする。見たことのない(聴いたことのない)ものがいっぱいあるのはもちろん、ジャケットを見て久しぶりにその存在を思い出すミュージシャンなどもいて、いろいろと発見がある。はじめはぎこちない手つきでレコードを繰るが、そのうち以前の勘を取り戻して順調にスピードアップしてきた。小一時間くらいかかって店にあるすべてのレコード箱をチェックした後は、これはもう全身汗だくである。ピックアップした10枚くらいの中から3枚だけ厳選して購入。しかし聴いてみると1枚ははずした。それもまたレコード漁りの醍醐味、といいたいところだが、はずしてみるとやはり悔しい。この週末、久しぶりにS条あたりまで遠征してみるか。それにしても街中はえらい警戒体勢だな。