法要

甘えるこう(二)

うるの法要でH山へ。近くの駐車場までクルマで行って、そこからバスで会場へ向かう。ここのお坊さんは偉いお人なんやけどもどうも雨男のようでして、と最初に紹介してもらったときに聞かされたのであるが、僕らが行くようになってからは一度だけ小雨の日があっただけで、あとは良いお天気だ。本日も爽やかに晴れている。出るとき暖かだったので上着は持たずに出かけたが、山の上では気温も低いようで、日があたらないところでは肌寒い感じだった。

お参りをすませて、たこ焼きを食べながらお坊さんの読経を待つ。動物を連れてお参りに来ている人たちも多く、なかなか賑やかな雰囲気だ。ちょうどクルマを降りてきた犬連れのおばさん、犬が野球の軟球を咥えたままのようで、離しなさいこの子はと叱っても犬は抵抗して離さず、もう仕方ないわねえこのまま行くわとそのままお参りに向かっていたのだが、帰りにふと見ると、その犬はまだボールをしっかり咥えたままでおかしかった。

お坊さんが到着、みんな慰霊塔の周りに集まって神妙に読経を聴く。大勢の人たちと動物たちの名前の後で、僕らとうるの名前も呼ばれた。

手を合わせながらうるとの楽しかった頃のことを思い出そうとするが、やはり病気になってからの記憶のほうが多い。それでも、朝僕の足にまとわりついていたこと、ごはんが待ちきれずに台所で飛び跳ねていたこと、僕らの帰りに喜びすぎてケージから落ちたことなど、細々した記憶がよみがえってくる。そういえばけんこう兄弟は僕らとは絶対に一緒の布団では眠らないのだが、うるはよく僕の布団に入ってきて眠っていた。冬寒いときにやって来たからかな、Y子にそのことを話すと、そんなことあった? 記憶の捏造じゃないの。いや、たしかによく布団に入って来ていたはずなんだが。

帰りのバスを待つ間、上着の間と肩から掛けたカバンの中に犬を入れた60過ぎくらいの初老の男性が、颯爽とハーレイにまたがって帰っていって、それはそれはカッコ良かった。犬たちも慣れているのだろう、顔をちょこんと出していて面白い。ああやって、あちこちツーリングに連れて行ってもらってるのかな。

近くのレストランでピザとライスグラタンを食べて帰る。ここはJBLのでっかいスピーカーが置いてあって、僕らが入るとちょうどビル・エバンスのピアノトリオが流れていて、あまり晴れた日のお昼に聴くものではないなあとも思いながらそれでも気持ちよく聴いたいていたのが、マスターが気を使ったのか軽めのポップスに切り替えられてしまって少し残念。帰宅すると待ちかねていたけんこうが飛び出してくる。少しくつろいだあと、みんなで昼寝。しばらくして起きて、ビールを飲んでまた眠る。

WE THREE-RUDY VAN GELDER

WE THREE-RUDY VAN GELDER

晴れた日の午後にはフィニアスのピアノを。ああジャズだなあ。