水遊び

水遊びするこう。

この秋、十一月に入ってから、こうがしばらく辞めていた水遊びを、再び始めるようになった。台所の流しに飛び乗って、水を流してくれーと要求し、蛇口をひねってやると水を右手で掻くようにして遊ぶのである。昨年の日記を見ると、やはり十一月に水遊びをしているとあるので、この季節に特有の現象であるのかもしれない。ふつうに考えれば、暑い夏の間に水遊びをしそうなものであるが、不思議である。そして一点だけ昨年と異なるのは、洗面台で遊ぶにはこうの体が大きくなりすぎて、台所の流しで遊ぶようになったことである。

さて、今夜もまた、こうが水を掻いて遊んでいる。猫の毛は多少水をはじくように出来ているのだろうか、体の側面を蛇口からの水が伝って流れているが、ぜんぜん気にしない様子であるし、不思議と濡れた感じもしない。ところで、流しの排水口は舐めてもよいほどきれいではないからと、これまで隠していたのであるが、しばらく前にその存在に気がついたようで、洗い桶によるブロックをかいくぐって、なんとか排水口のところに進もうとする。それでもまあこの障害物は崩されないだろうと、Y子とふたりでなんとなくこうの様子を眺めていたとき、こうの右手が排水口の蓋に達し、それを思いっきり引っ掻いたために、蓋がはずれて飛び上がってしまった。驚いたこう、ジャンプした拍子に置いてあったスプーンだとかカップだとかが飛び散って、大きな音をたて、さらに驚いてハイジャンプして飛び降り、逃げ去ってしまった。一瞬僕らも驚いたが、とくに怪我した様子も何かが割れるようなこともなく、ホッとする。久しぶりに、やんちゃっ子、こうを見た気持ちであった。そういえば、去年はいろいろいたずらをしていたなあ。

しかし、水遊びの際には気をつけてやらなければならないな。ところで、けんもその様子を近くで見ていたのであるが、とくに驚いた様子もなく泰然と座っていたのが可笑しい。おたがい、やることはわかりきっているよとでもいう感じか。


しばらくぶりに『革命事典』に戻って、人物篇Ⅱ。とりあえずミラボーからアンラジェまで。


日課。本日よりノルマ倍増。継続が力である。忘年会シーズンを乗り切れますように。