いま明かされるラグドールの驚くべき真実

せっかくの休日だが、どうも風邪が良くならない。
Y子は所用で朝から終日外出。
しょうがないから野球でも見るかと思ってると、前に注文したラグドールの本が届いた。

Ragdoll Cat (Pet Love)

Ragdoll Cat (Pet Love)

前にアメリカと書きましたが、すみません、イギリスの本でした。
で、ふつうに血統とか特長とか飼い方とかブリーディングのこととか書いてあるんだろうと、まあ基本的には思ったとおりそんなような内容なんだが、冒頭の「ラグドールの歴史」というのがめちゃめちゃ面白い!

だいたい日本で「猫種図鑑」のようなものを見ると、

大型の長毛種。60年代アメリカで、ペルシアとバーマン、バーミーズを交配して作出された。大きいものでは10kgに達するものもある。性格はおとなしく人なつっこい。

とか書いてある。
(ちなみに、インターネット上にも、「goo猫図鑑」というのがあった。結構詳しい)

ラグドールの歴史」にはこの「作出の経緯」が克明に描かれていた。

時は1960年代カリフォルニアに、アン・ベーカーというブリーダーさんがいました。彼女は、時おり、お隣さんのペネル夫人のペルシア猫「ブラッキー」をブリーディングにお借りしていましたが、ある時、「ブラッキー」のお母さん「ジョセフィン」が交通事故にあいました。「ジョセフィン」は大学で治療を受け快復しました。ジョセフィンはお世辞にもおとなしいとはいえない性格でしたが、それからというもの、彼女の産む子猫たちは、不思議にもおとなしくて人なつっこく、何をされてもぜんぜん痛がらない性格になったのです。この子猫たちは、だきあげるとぼろ布で作ったぬいぐるみ(ラグドール)のようにくたっとなることから、アン・ベーカーは「ラグドール」と名づけて売り出しました。

アン・ベーカーは、このラグドールというおとなしくて痛みに強い新種の猫を、ジョセフィンに起こった「奇蹟」のたまものだと言ったそうだが、まあここまでは不思議だけどそれなりにいい話。だが、ここでやめとけばいいのに、ベーカーさん、お決まりの権利騒動もあって、話が二転三転、遺伝学者や獣医を巻き込んだ大論争に発展して、挙句に、

「ジョセフィンは大学で遺伝子操作を受けた」。
「それは政府の秘密計画の一部なので、その詳細は言えない」。
「ジョセフィンは人間とエイリアンの遺伝子を受け継いでる」。

とか、Xファイルか。
アン・ベーカーがその後、どうなったのかは書いてないけど、彼女の作った団体はいまでも活動中とか。いやあ、ブリーディングの世界も奥が深いなあ。


アン・ベーカーの主張とそれがもたらした騒動は別にして、彼女がラグドールという素晴らしい猫を生み出したことは事実で、それは正当に評価すべき、と著者はまとめていて、これはまっとうなご意見。


まあ騒動はともかく、ラグドールの穏やかな性格は、当時の人には驚きだったということか。普通の感想だけど。でも、このアン・ベーカーという人、気になるなあ。