状況きわめて

悪い。
朝、うる、まったく動かず。


昨夜、Y子もうるも寝た後、一人で耐え切れずにT間さんに電話。
T間さん、おそくにごめんなさい。
いつもいろいろ聞いてもらってありがとうございます。


明け方、起こしに来たのか、ベッドに乗ったがすぐに降りてしまう。
発症前は、僕の顔をぺろぺろぺろぺろして起こしに来ていたことを思い出す。


11時過ぎ、打ち合わせで大阪に向かおうと事務所を出ると朝の診察を終えたY子から電話。
――熱39度9分。
  非ステロイド系の解熱剤はもう限界なので、ステロイドを注射。
  皮下点滴。抗生物質を注射。
  今晩から、胸水の溜まる山場が来るだろう。
  現状でも腹水、膀胱炎といろいろな炎症が起きている。
  前回は胸水だけで、それでも危機的だったのが、何とか持ちこたえることができた。
  今回は、さらにいろいろな炎症が一気にやってくる可能性もある。
  最悪の場合、明日にでも脳に炎症がくる可能性もあるので、覚悟はしておいてほしい。
言っていることを理解するのに時間がかかる。


5時過ぎ、東大阪での打ち合わせを終え、直帰。
打ち合わせ中は忘れていたうるのことが、先方の部屋を出るとどっと戻ってくる。
Y子に電話。

  うるはずっと眠ったまま。食欲まったくなし。おしっこは真っ赤。

とにかく急いで帰る。T橋で乗り換え。運良く来た電車に飛び乗るが、何駅か過ぎて反対方向の列車に乗っていたことに気づく。6時半すぎ、何とかD町へ。タクシーでY地区の自宅まで。待機していたY子にクルマのキーを持ってきてもらって病院へ。しかし、見た感じは、想像していたよりも良い。かなりぐったりはしてるけど。ぎりぎり診察時間内に飛び込む。


熱40度2分。ぐったりして反応が鈍い。
残念ながらステロイドの効果は見られず。
明日までまって非ステロイドの解熱剤を使うか、出血のリスク覚悟でいますぐ使うか、難しい決断。


いろいろな思いが瞬間的にかけめぐる。男先生、女先生、Y子、みんなで考えて、話し合って、いますぐ解熱剤を通常量の半分だけ注射することにした。そして皮下点滴。うるは嫌がる気力も体力もないのか、じっとしている。


熱がひけば、まちがいなく水が来るだろう。
しかし、うるの場合は、高熱が何日も続き、そのままの状態で水がじっくり来つつあり、なおかつ膀胱にも炎症が起きている。FIPでもこれほど厳しい状況は珍しい。どれかを抑えようとすると、どれかが悪さをする。しかし、まず熱を抑えなければ、本人の体力はこれ以上もたないだろう。
明日は、本来は病院はお休みなのだが、診てもらわないといけない。いつも遅い時間に行って、お休みの日まで診てもらって何て言っていいのか分からないが、とにかく、がんばってできる限りのことをするしかない。


帰りの車中、早くも解熱剤が効いてきたのか、うる、伸びをして動き出す。帰ったら、半生キャットフードを少しだけ食べ、すりすり甘えて、やがて眠る。ちょっとよしよししただけで、ゴロゴロいうが、不安なのだろうか。ゴロゴロも心なしか、弱々しい気がする。


とにかく、明日、朝の様子次第だ。